手元供養（てもとくよう）とは？
〜供養の方法や注意点について〜

故人をいつでも近くに感じられる

故人のお身体の一部である遺骨や位牌を身近な場所で管理することで、故人の存在をいつでも近くに感じることができます。

遠方まで出向く必要がない

長距離の移動が必要なくなるため、体力的な負担や交通費を（場合によっては宿泊費も）抑えられます。
また、移動の時間もかからないため、時間のある時にいつでも供養が行えます。

費用を抑えられる

お墓や納骨堂の手配が必要ないため、費用を大幅に抑えられます。

保管場所の自由度が高い

手元供養品には様々な種類があり、

• 中に遺骨・遺灰・遺髪などを納めて携帯できる「遺骨ペンダント」
• 手の平に収まるサイズで置き場所に困らない「ミニ骨壺」
• コンパクト・シンプルなデザインでご自宅のどこにでも違和感なく飾れる「遺骨プレート」

など、住環境や好みに応じて自由に選ぶことができます。

家族や親族に反対されることがある

手元供養が注目されるようになったのは10年程前からで、比較的最近のことです。
そのため、特に年配者などにはなじみが薄く、お墓や納骨堂以外で供養することに反対されることもあります。

反対される方も故人のことを思って反対されていると思いますので、強引に進めず、ご自身の気持ちを丁寧に説明しながら、わだかまりが残らないように進めましょう。

紛失する危険がある

手元供養品は持ち運びや省スペースでの設置を想定して小型に作られているものが多いため、紛失する危険はあります。

例えば、遺骨ペンダントであれば鎖が切れて落としてしまうケースや、バッグなどに入るミニ遺骨であればバッグごと紛失してしまうケースもあります。
また、ミニ仏壇も地震などの災害で紛失してしまう可能性はあります。

大切なご遺骨・遺灰ですから、万が一にも紛失することが無いよう保管方法は慎重に検討しましょう。

カビが生えにくい保管場所を選ぶ

遺骨にカビが生えるトラブルはよくあるトラブルの一つです。
カビは温度や湿度の高い環境を好むため、直射日光の当たらない風通しの良い場所を選ぶことが重要です。

水回り（キッチン、お風呂場など）の近くや、クローゼットの中などに保管するのは避けましょう。
また、エアコンの風が直接当たる場所も容器内に結露が発生する可能性があるためお勧めできません。

カビを防ぐ手段の一つとして、しっかり密閉できるタイプの保管容器を選ぶことも有効です。真空パックや乾燥剤を入れる方法もあるのでご検討ください。

手元供養の方法を決める

手元供養には「遺骨や遺灰をすべて自宅で管理する方法」と「墓地や寺院へ納骨したうえで一部のみ自宅で保管する方法」の二通りがあります。
まずはどちらの方法にするか決めましょう。

また、手元供養を行うにあたっては、事前に家族や親族にきちんと説明を行い、理解を得てから行うようにしましょう。

手元供養品を選ぶ

次に、手元供養品の種類を決めます。
骨壺を選ばれる方が多いですが、骨壺にもたくさんの種類があり、遺骨を納める量により適した大きさは異なります。

また、分骨する場合はアクセサリーやプレートも選択肢に入ります。
それぞれ納められる遺骨の量が決まっているため、早い段階でどの手元供養品にするか決めた方が良いでしょう。

手元供養品を注文する

手元供養品を決めたら業者に注文しましょう。
注文先は一部の葬儀社や、仏壇などを取り扱う業者などです。
最近はインターネットでも購入可能です。

一般的な商品であればすぐに取り寄せ可能ですが、特注品は納入まで時間がかかる場合もあるので注意が必要です。

お墓に納骨する

最も一般的な方法で、遺骨の一部を手元供養し、残りの遺骨をお墓に収める方法です。
お墓と自宅の距離が離れていて、お墓に出向く事が難しいという方がよくお選びになります。

ただし、既にお墓があれば別ですが、新たにお墓を建てる場合は費用や手続きで大きな負担がかかります。

納骨堂や永代供養墓への納骨

納骨堂には、ロッカールームのように扉付きのお壇が並んだロッカー式納骨堂や、遺骨が保管場所から参拝場所まで自動で搬送される自動搬送式納骨堂などがあります。
どちらもお墓に比べて安価で、駅近など利便性の良い場所に建っていることが多いという特徴があります。

永代供養墓には様々な種類がありますが、大きく分けると合祀型と集合安置型の2種類があります。

合祀型は他の方の遺骨と一緒に埋葬する方法で、比較的安価に納骨が可能です。
ただし、一度納骨してしまうと場所を移動したり、分骨することはできません。

これに対して、集合安置型は収めるところは一緒ですが、骨壺が分かれているため、後から他の場所へ納骨したり分骨したりすることが可能です。

樹木葬

樹木葬には明確な定義がある訳ではありませんが、埋葬方法で区別すると以下の3種類があります。

散骨

散骨とは、遺骨を粉末状にして海や山に撒く方法のことです。
散骨するために特別な手続きは必要はありませんが、多くの自治体で散骨場所や散骨方法などの制限が設けられているため、抵触しないよう事前に確認しておく必要があります。

散骨場所として最もメジャーな海洋散骨なども、海岸近くでは漁業権の問題が発生する場合があります。
後にトラブルにならないように、散骨は専門業者に任せた方が安心です。